歯並びをきれいにそろえることは、虫歯や歯周病になるのを防ぎ、発音を明瞭にするとともに食物をよくかめるようにして 健康を一段と増進させようとする医療なのです。歯科矯正治療とは、生きたままの骨や歯を全身の成長発育に応じて、またあるときは成長発育を利用して無理なく徐々に動かし形を整えていく治療です。その結果、口もとの形を整え、歯並びをきれいにそろえます。
不安に思っていることや、疑問に思われていることをご相談ください。
現在のお口の状態をみながら、患者さんのご希望を聞き、その後にご説明をさせていただきます。
大まかな方法・期間・費用等についてご説明します。 | |
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症状にあった治療方法、期間の具体的説明 | |
月1、2回の通院 約1年~3年 (症例によって異なります。) |
3~4ヶ月に1度の経過措置を行ないます。美しく並べられた歯が元に戻らないように留めておく期間、この期間に骨が完成し後戻りを防ぎます。
混合歯列期(永久歯と乳歯が混在する時期6~12才頃)では 本格的な矯正に先がけて部分的な矯正や、上下の骨格の関係を補正する治療を行う場合 があります。
上顎の前歯が前にとび出しています。
上下の前歯の傾きに問題がある場合や、上顎が前に出ていたり、下顎が小さかったり後ろに位置している場合に、このような状態になります。上顎の前歯をぶつけたりしやすい歯並びで、唇を閉じるのが難しく上顎の歯ぐきが目立つこともあります。
指しゃぶりや「舌」のくせ、遺伝などが原因となります。
成長期の患者さんでは、上顎骨の過剰な発育や下顎骨の成長不足を治療します。
この治療は、早い時期(8才〜10才)に開始するのが好ましいとされています。
永久歯がすべて揃った段階では、すべての永久歯に器具をつけて正しい歯並びに治療します。前歯をうしろに下げるスペースがない場合には、上顎の歯並び全体をうしろに引っぱったり、抜歯して治療する場合があります。顎の大きさや形に問題がある場合には、口腔外科や形成外科と協力して骨の手術を併用することもあります。
下の歯が上の歯より前に出ています。
上下の前歯の傾きに問題がある場合と、上下顎の大きさに問題がある場合とがあります。うまく咬めないだけでなく、発音に影響することもあります。「舌」のくせ、遺伝などが原因に挙げられます。
適切な矯正装置で上下の前歯を動かし、早い時期に正しい咬み合わせにします。
成長期の患者さんでは、上顎骨の成長促進や下顎骨の発育への対応など、成長期間中の上下顎の成長を管理・観察します。成長終了後に、すべての永久歯に器具をつけて正しい歯並びに治療します。歯を動かす方向にスペースをつくるため、抜歯が必要になることもあります。顎の大きさに問題がある場合には、 口腔外科や形成外科と協力して骨の手術を併用することもあります。
咬んでも、上下の歯が咬み合いません。
前歯でものを咬み切ることが難しく、発音に影響が出る場合もあります。前歯が当たっていないため,奥歯にかかる力が大きくなり、奥歯が磨りへったり、痛みが出たりすることもあります。
「舌」のくせ、口呼吸、遺伝などが原因として挙げられます。
成長期の患者さんでは、早い時期に開始するのが好ましいとされています。指しゃぶりや舌のくせがある場合には、必要に応じて筋機能療法(MFT)を行います。
成長終了後に、すべての永久歯に器具をつけて最終的な治療をします。
最近では、インプラントを固定源にした矯正治療を行うことが多くなっています。
顎の大きさや形に問題がある場合には、良好な結果が得られるように、口腔外科や形成外科と協力して骨の手術を併用する場合もあります。